設置届と設置報告書の違い

クレーンの設置報告書と設置届の違いとは? | クレーン設置の法規を解説

クレーンは労働安全衛生法に「特に危険な作業を必要とする機械」とされており、設置・使用・点検の際に必ずしないといけない項目が法律で決められています。今回の記事では、混同されがちな「設置報告書」と「設置届」について丁寧に解説いたします。

本記事では、初めてクレーンを導入する方でも迷わないように、両者の違いと吊り上げ荷重ごとの必要手続きをわかりやすく解説します。

目次[非表示]

  1. 1. クレーンの設置にあたっての手続き
  2. 2. 吊り上げ荷重が0.5t未満の場合のクレーン
  3. 3.吊り上げ荷重が0.5t以上3t未満のクレーン
    1. 3.1.設置報告書の提出
    2. 3.2.荷重試験の実施
    3. 3.3.根拠となる法規
  4. 4.吊り上げ荷重が3t以上の場合
    1. 4.1.設置届の提出
    2. 4.2.落成検査の実施
    3. 4.3.根拠となる法規
  5. 5.それぞれの手順まとめ
    1. 5.1.吊り上げ荷重ごとの手順まとめ
    2. 5.2.設置報告書と設置届の違い
    3. 5.3.クレーン開始前の検査の比較
  6. 6.まとめ

お役立ち資料
0.5t以上3t未満のクレーン設置は
こちら↓↓

お役立ち資料
3t以上のクレーン設置は
こちら↓↓

 クレーンの設置にあたっての手続き

クレーンの設置には、以下2つの法律に基づく手続きが必要です。

  • 労働安全衛生法
  • クレーン等安全規則

労働安全衛生法:
職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする法律。
クレーンは「特に危険な作業を必要とする機械」とされている。

クレーン等安全規則:
労働安全衛生法の規定に基いたクレーンの設置・検査・点検に関する安全規則。

手続きは、クレーンの「吊り上げ荷重」によって異なります。
次章よりそれぞれ解説していきます。

参考)吊り上げ荷重の説明は下の記事を参照ください↓↓
クレーンの定格荷重・定格総荷重とは? 吊り上げ荷重についても解説

 吊り上げ荷重が0.5t未満の場合のクレーン

0.5t未満の機器は、法規上「クレーン」に該当しないため、労働基準監督署への届け出は不要です。購入し、設置後より使用可能です。

吊り上げ荷重が0.5t以上3t未満のクレーン

設置報告書の提出

0.5t以上のクレーンは、クレーンの設置までに労働基準監督署へ「設置報告書」を提出する必要があります。

設置報告書には、以下を記載し、クレーンを設置する事業者が提出します。基本的に設置報告書のみで添付資料は不要です。

【クレーン設置報告書に記載する内容】

  1. 事業者情報(会社名、事業の種類、報告者氏名)
  2. クレーンの情報(種類及び型式、吊り上げ荷重)
    「種類及び型式」…下記に掲載されているクレーン分類表を参照ください↓
    参考:一般社団法人 日本クレーン協会「クレーンの基礎知識」
    https://cranenet.or.jp/tisiki/crane.html
  3. クレーンの設置情報(製造年月、製造者名)
    「製造者名」…クレーンの場合はガーダーの製造社名を、テルハの場合は横行レールの製造社名を記載下さい。
    「製造年月日」…クレーンの場合はガーダーの製造年月日を、テルハの場合は横行レールの製造年月日を記載下さい。

荷重試験の実施

クレーン設置報告書が受理され、クレーンの設置が完了したら、事業者自身がクレーンの種類に応じて「荷重試験」行い、問題なければクレーンを使用できます。

荷重試験は定格荷重の1.25倍の荷重を吊る必要があるので、検査用の荷重と玉掛用具を準備する必要があります。

※転倒の恐れがあるクレーンについては、安定度試験の実施が必要です。

根拠となる法規

クレーン等安全規則 第11条 設置報告書、第12条 荷重試験等

具体的な法規の条文や設置報告書の記載例は以下資料をご確認ください

お役立ち資料
0.5t以上3t未満のクレーン設置は
こちら↓↓

吊り上げ荷重が3t以上の場合

設置届の提出

3t以上のクレーンの場合は、0.5t以上の時と比較して各段に必要な手順が増えます。

まず、クレーン設置の30日前までに労働基準監督署に設置届を提出する必要があります。

設置届提出の際は、以下の書類が必要となります。

  1. クレーン設置届
  2. クレーン明細
  3. クレーンの組立図
  4. 構造部分の強度計算書
  5. 次の事項を記載した書面
    ・据えつける箇所の周囲の状況
    ・基礎の概要
    ・走行クレーンにあっては、走行する範囲
  6. 落成検査申請書

落成検査の実施

クレーンの設置が完了したら、労働基準監督署職員立ち合いのもとで、落成検査を実施し、合格し検査証の発行をもってクレーンの使用が認められます。

3t未満の際の荷重試験と同様、落成検査の場合も定格荷重の1.25倍の荷重を吊る必要があるので、検査用の荷重と玉掛用具を準備する必要があります。

根拠となる法規

クレーン等安全規則 第88条 計画の届け出等、第5条 設置届、第6条 落成検査

具体的な法規の条文や設置届、落成検査申請書の記載例は以下資料をご確認ください。

お役立ち資料
3t以上のクレーン設置は
こちら↓↓

それぞれの手順まとめ

吊り上げ荷重ごとの手順まとめ

吊り上げ荷重

0.5t未満

0.5t以上3t未満

3t以上

購入

労働基準監督署への
届け

設置報告書のみ

設置届と添付書類

使用開始前の
検査

労働基準監督署立ち合いは不要の荷重試験

労働基準監督署立ち合いの落成検査(荷重試験)

使用開始

設置報告書と設置届の違い

設置報告書

設置届

吊り上げ荷重

0.5t以上3t未満

3t以上

提出期限

設置までに

設置の30日前までに

添付書類

基本的になし

多数の添付書類が必要

提出後の流れ

荷重試験の実施

落成検査の実施
(荷重試験)

クレーン開始前の検査の比較

荷重試験

落成検査

吊り上げ荷重

0.5t以上3t未満

3t以上

検査のための提出書類

無し

落成検査申請書を
労働基準監督署に提出

検査内容

定格荷重の1.25倍の荷重を吊って、クレーンの動きを確認

定格荷重の1.25倍の荷重を吊って、クレーンの動きを確認 ※1

試験を実施する人

クレーンを設置する事業者

労働基準監督署の立ち合い

※1 転倒の危険のあるクレーンについては安定度試験も実施

まとめ

本記事では、クレーンの設置にあたっての法的諸手続きを、設置報告書と設置届の違いに着目して解説いたしました。
キトーは多数のクレーンの相談を承りますので、お気軽にご相談ください。

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