3t以上のクレーン更新法的手続きマニュアル

3t以上のクレーン更新・改造時に必要な法的手続き解説

クレーンは、数十年単位でご使用されることも多い設備ですが、「そろそろ更新のタイミングかな?」と思ったことはありませんか。
40年前と今では、ほとんどのメーカーで製品の形式や仕様が大きく変わっています。さらに、すでに廃業したメーカーもあるなど、クレーンを取り巻く環境は少しずつですが年々変化しています。
一方で、クレーンは労働安全衛生法により「特に危険な作業を必要とする機械」とされており、設置・変更(更新、改造)・廃止・点検の際には法律で義務づけられた手続きがあります。

今回の記事では

  • どのような場合にクレーン更新を検討すべきか?
  • 更新する際に法律上定められている手続きは何か?

解説いたしますので、クレーンを日々使用されている方や、更新を検討されている方はぜひご確認ください。

3t以上のクレーンでは、設置後にもさまざまな法的手続きが必要になる場合があります。
これらの手続きを整理した資料をご用意しています。↓↓

目次[非表示]

  1. 1.クレーン更新のタイミング
    1. 1.1.不具合や違和感のあるタイミング
    2. 1.2.クレーンの部品供給が終了したタイミング
    3. 1.3.点検にて不具合がみつかったタイミング
  2. 2.クレーン更新の際に抑えておくべき法規
    1. 2.1.変更届が必要となる主な変更項目
  3. 3.クレーン更新の具体的な手続きの流れ
    1. 3.1.労働基準監督署への書類の提出
    2. 3.2.変更検査の実施
    3. 3.3.クレーン検査証の裏書
    4. 3.4.根拠となる法規
  4. 4.まとめ

クレーン更新のタイミング

不具合や違和感のあるタイミング

クレーン自体が動いていたとしても、ちょっとした違和感を抱くことはありませんか。

異音がする、動作が不安定・・・といったささやかな変化も実はクレーンの老朽化のサインかもしれません。老朽化を放置すると大きな事故につながる可能性があります。異常が見られた場合は速やかに点検を実施し、必要に応じて更新を検討してください。

見逃してはいけない不具合・老朽化の例

  • オシボタンの反応が悪い
  • 動きがガタつく
  • 停止位置が安定しない
  • 操作に違和感がある
  • 異音がする
  • 油漏れの発生

クレーンの部品供給が終了したタイミング

吊り上げ荷重0.5t以上のクレーンは、定期点検・年次点検の実施と、その結果の保存がクレーン等安全規則で定められています。

もし点検でクレーンに不具合が見つかったとしても、クレーンの補給部品が終了していた場合すぐの修理ができず、事業に影響をもたらす場合があります。
たとえクレーンがまだ問題なく使用でき、直近更新を検討していなくとも、一度補給部品が終了したことに気が付かれたタイミングで、クレーン後継機種を確認いただくことを推奨しています。

キトー製品の補給部品の対応の確認表はこちら↓↓
お使いの製品がご不明の方向けヘルプページ

点検にて不具合がみつかったタイミング

吊り上げ荷重0.5t以上のクレーンは以下の点検の実施が定められています。

クレーン等安全規則

第34条
定時自主点検

第35条
定時自主点検

第36条
作業開始前の点検

第37条
暴風雨後の点検

対象

0.5t以上のすべてクレーン

頻度

年1回

月1回

作業開始前

30m/s以上の暴風後または
中震(震度4)以上の地震後

内容

年次点検の実施

月次点検の実施

日常点検の実施

暴風雨後または地震後の実施

そして作業前点検以外の結果は3年間保存しなければなりません。
(クレーン等安全規則 第38条)

クレーンの不具合を無視して使う場合、クレーン等安全規則の39条違反となりますので、すみやかな修理をお願いいたします。

クレーンは点検の結果を踏まえて、設備の状態を判断することが重要です。

クレーン等安全規則第三十九条 (補修)
事業者は、この節に定める自主検査又は点検を行なつた場合において、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。

クレーン更新の際に抑えておくべき法規

吊り上げ荷重3t以上のクレーンは、労働安全衛生法で特に「特に危険な作業を必要とする機械等」とされています。そのため、新規設置・変更・廃止のいずれの場合も所定の手続きが決まっており、具体的な手続きの内容は「クレーン等安全規則」で定められています。

このような背景から、許可や届出を行わずにクレーンを更新することは、法令違反となります。

変更届が必要となる主な変更項目

以下の重要部分を変更する場合は、必ず労働基準監督署への「変更届」が必要です。
(クレーン等安全規則 第44条より)

  • クレーンガーダ、ジブ、脚、塔その他の構造部分
  • 原動機
  • ブレーキ
  • つり上げ機構
  • ワイヤロープ又はつりチエーン
  • フツク、グラブバケツト等のつり具

クレーン更新の具体的な手続きの流れ

労働基準監督署への書類の提出

クレーンを変更する場合は、以下を所轄の労働基準監督署へ提出します。

  • クレーン変更届
  • クレーン検査証
  • 変更部分の図面
  • 変更検査申請書

変更検査の実施

クレーン設置の際の落成検査と同様の流れで、労働基準監督職員が立ち会います。

定格荷重の1.25倍のつり荷を吊って検査を実施するので、吊り荷と玉掛用具を用意する必要があります。

クレーン検査証の裏書

変更検査に合格すると、「クレーン検査証」に裏書がされ、クレーンの使用が認められます。

根拠となる法規

  • クレーン等安全規則第四十四条 変更届
  • クレーン等安全規則第四十五条 変更検査
  • クレーン等安全規則第四十六条 変更検査を受ける場合の措置
  • クレーン等安全規則第四十七条 検査証の裏書

具体的な法規の条文やクレーン変更届/変更検査申請書の記載例は以下資料をご確認ください。
3t以上クレーン設置後の法的諸手続き一覧↓↓

まとめ

本記事では、3t以上のクレーン更新に必要な法的手続きをまとめました。

  • 不具合・部品供給終了・点検不具合は更新タイミングであること
  • 更新時には「変更届」「変更検査」などの手続きが必要であること

法令違反を防ぐためにも早めの確認が重要です。
またクレーン更新にあたっては、「巻上げ機のみの更新の対応としたほうが良いのか?」「これは更新にあたるのか?」など判断に迷う場面も多いかとおもいます。
未だ更新が確定していない段階や、予算取りのタイミングでも構いませんので、いつでもご相談をお待ちしております。

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