
日本酒造りを支えるキトーのホイスト
「日本酒の特集番組で、東京港醸造さんの酒造りの現場にキトーの電気チェーンブロックが映っていた」との情報が寄せられ、さっそくご連絡したところ、快く取材をお引き受けいただきました。東京港醸造さんは、港区の路地裏にひっそりと佇む、わずか22坪の4階建てのビルで、丁寧な酒造りを行っていらっしゃいました。
この場所は、もともと住居だったビルをリノベーションしたとのこと。路地裏にあるため日が差し込みにくく、空調も完備されていることから、一年を通じて日本酒を造ることができるそうです。
「この小さなビルの3階で米を洗い、4階で仕込みを行っています。生米を3階まで運ぶ方法を検討しましたが、路地が狭いためユニック車は入れません。そんなとき、展示会でキトーの電気チェーンブロックを見かけたのです。『これだ』と思い、4階に電気チェーンブロックを設置。さらに、3階まで米を吊り上げられるよう、2階のベランダの床を開閉式に改造しました」(杜氏の寺澤善実さん)
東京港醸造の前身は、約100年続いた酒蔵「若松屋」。やがて酒造業を廃業した後、現在七代目当主の齊藤俊一さんが、2016年に酒蔵を復活させました。純米吟醸原酒「江戸開城」のブランド名は、幕末の若松屋で談判されたとも言われる、江戸城無血開城に由来するそうです。